Part3 ペルー

フィシャマンクラブでの昼食後、ホテルに帰って一休みです。昨晩からほとんど寝ていませんから、夕食まで、シェスタです。
そして、夜は庶民のレストランで食事です。ホテルから「モトカー」で10分くらいのところです。東江さんのご友人も集まっています。その中の一人、ハビエルさん。彼は見たところスペイン人の血が3/4とインディオの血が1/4といったところですが、たずねたわけでもないので、よくわかりません。本職は熱帯農業技師で、アマゾン先住民の生活改善もボランティアで行われているようで、いろいろと面白い話をしてくださいました。

彼は先住民の村を訪れるときは、自分の便や尿はビニール袋に取り、穴を掘って埋めるそうです。なぜなら、先住民が接触したことがない細菌やウイルスが自分の糞尿に存在するかもしれず、もしそれらの細菌やウイルスが彼らの健康を害するようなものであれば、その村が全滅する恐れがあるからです。
彼が持ちこんだわけではないのですが、B型肝炎のウイルスのために一つの村が全滅したことがあるそうです。それは、先住民が地酒をつくるときに、醗酵の効果を高めるため唾を入れてつくることがあり、その唾を入れた先住民の一人がB型肝炎ウイルスを持っていたからです。そのB型肝炎ウイルスは当然、外界からやってきたわけで、村をでた先住民がどこかでもらったままキャリアーとなったわけです。
スペインからのごろつき侵略者たちコルテス、ピサロにより膨大な数の南米の無辜の先住民が虐殺されたのですが、彼ら侵略者がヨーロッパからもたらした天然痘、麻疹などで死んだ先住民の数の方がずっと多いことは周知の事実です。スペイン人たちが侵略してくる前には1000万人ほどあった人口が、その10分の1ほどに激減しています。
言い換えれば、いかに生物兵器が恐ろしいものであるかということです。侵略者たちは自分たちが、生物兵器を使ったという意識はなかったでしょう。
しかし、実に効率よく使ったのです。先住民が築いた宮殿をはじめに、多くの文化施設を破壊せずに、それらを使っていた人間だけを殺す。しかも、侵略者たちには、免疫があるものですから、何の被害もない。これは、核兵器で何から何まで破壊し、しかもそこには放射能のために長期間住めないという攻撃と比べれば、比較を絶してうまい戦争の仕方です。

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