オーガニック(Organic)、あるいは、 ノン・オーガニック(Non-Organic)にこだわらないで、地球そのものにまかす最も簡単で確実な一つの方法は、温泉を利用することです。 私たち日本人が縄文時代から愛してきた温泉の、岩の力を借りるのです。大地の土は、もともとは岩石だったのです。 それが、膨大な年月にかけられ、風化され、土となったわけで、石は土よりも本質的にエネルギーが高いのです。 地球の内部からほとばしる、あの真っ赤な溶岩のうねりと流れを思いうかべてください。天地創造のエネルギーです。しかし、自然そのもので、まさにこれ以上オーガニックはあり得ないでしょう。
温泉の有効成分は、岩石が湯に溶け出たものです。多彩なミネラル・イオンの集まりです。その作用の一つは、決して「殺菌」ではなく、「共生」の手助けなのです。 イオンとは電荷を帯びた原子です。陽イオンと陰イオンがあるとき、電気エネルギーが発生します。
しかし、電気エネルギーといっても、これも難しく考えることはいりません。魚を見ればわかります。
たとえば、デンキナマズやデンキウナギ。彼らは体に発電器官をもっています。前者は最高350ボルト、後者は800ボルトも発電します。 普段はもっと弱い電流の電場をつくり、獲物や、障害物を探知しています。デンキウナギの場合、体長の80%ほどの長さで、「発電板」が並んでいます。 発電板は筋肉の細胞が変化したもので、1枚につき、0.15Vの発電能力しかありませんが、数千個の発電板が一斉に発電することによって、このように高いボルテージが得られるのです。
昔、イスラムの名医イブン・スィーナが、君主がひどい筋肉痛を訴えたとき、プールにいっぱいのデンキナマズを放り込み、 君主を檻に入れデンキナマズが直に君主に触れないようにして、檻に入れたまま君主をプールにつけたのです。 すると、デンキナマズが発する電流によって一瞬のうちに筋肉痛が治ったという逸話があります。今でいう、低周波刺激の治療でしょう。さらに、名医の名が上がったとか。
これほど強力な発電能力を有していなくても、100mV程度の電場を体のまわりにつくり、同種間の通信に利用する魚はたくさんいます。 つまり、魚は生まれたときからみんなかしこい電気屋さんなのです。生物は巧みに電気エネルギーを利用しているのです。