Part3 ペルー

これは医療についても言えます。端的な例を挙げるとアトピー性皮膚炎です。drmakise.comに も書いていますが、アトピーの原因として、シャンプー、リンス、石鹸、化粧品、洗剤、染毛剤、等々の有害物質が皮膚を経由し、しかも肝臓で代謝されずに体内に入ってくるため、それらが蓄積しアレルゲンとなり、アトピーを引き起こすという経皮毒説があります。それを主張するのは、薬学関係の人たちです。
そして彼らは、医療という現場に立ち入らず、アトピー患者を実際に一人も治療したことがないくせに、ステロイド軟膏は危険だから使うな、それよりも、経皮毒を防げと言うのです。
毎日、数多くの重症アトピー患者の治療に悪戦苦闘している僕にとっては、この薬学者たちの経皮毒説は、まさに机上の空論です。就職もできず、恋愛もできず、全身かき傷だらけで途方にくれる患者さんを一人も診ず、ともに悩まず、ステロイド軟膏は使うなというのは、あまりにも現実を知らなすぎます。ステロイド軟膏が、一時的に、どうしても必要な例も数多くあるのです。

また、免疫学の教授がやたらと本をだして有名になった、爪をもむことにより、交感神経と副交感神経のバランスをとり、アトピーを筆頭に、リウマチ、癌、うつまで治すという理論です。確かに、理路整然としてわかりやすい。しかし、現場の医療では、ほとんど役に立ちません。アスピリンのほうがよほどましだと言えば、言い過ぎでしょうか。確かに、化学薬品は使いたくない。しかし、毎日、激烈な痛みに悩むリウマチ患者に、薬の服用を中止させることは、残酷であり、事実上不可能です。
いみじくもリウマチ専門医が言う、「痛みのない生活は基本的人権」なのです。痛みを我慢しながら、爪をもめというような悠長なことを言えるのは、まさに現場の医療を見ていない証拠です。
また、ケースによっては、副作用は非常に大きいにもかかわらず免疫抑制剤や生物学製剤を速やかに投与しなければ取り返しのつかないこともあるのです。それに、持続する痛みというものは、いかに人間の免疫機能を落としてしまうのか、いやしくも免疫学の教授であるならば、わかりそうなものですが。爪をもむくらいで、リウマチが治り、アトピーが治り、癌が治れば、だれも苦労はしません! もっと、現場を見てほしいものです。

サルトルがゲバラを指導したとき、これとまったく同じ過ちを犯したのです。パリのキャフェでつくりあげた哲学で、南米のジャングルでゲリラ戦を行う人間に革命を説いたのです。
なんという傲慢さでしょうか!精神科の医者が、肺癌の治療を研修医に指導するよりもひどいことです。それが故に、純真なゲバラは民衆からも裏切られ、最後は賊軍として銃殺されるのです。ばかばかしいにもほどがあります。
しかし、なぜゲバラがサルトルを信じたのか。それが、文化の力なのです。フランスという文化のブランドなのです。今でも、難解な表現を使って、哲学のファッションを生み続けるフランスというブランドなのです。チリという辺境の人間であるゲバラにとっては理論武装をするためにも、ブランドが必要だったのです。ここで、ゲバラがもう少し、自分の足で立って、行動していたらと悔まざるにはおれないのです。まだカストロの方が、現実を知っていたのです。それが故に、カストロは最後まで生き残り、まがりなりにもキューバという国をつくったのです。
おそらく、カストロは内心はマルクスもエンゲルスも、ましてサルトルなんぞはなにもかけておらず、現場、現場で巧みに対処していったはずです。

日本の若者よ、ゲバラのようになるな!! 自分の足で行動し、自分の頭で考えろ!! ゲバラはヨーロッパで生まれたマルクス、エンゲルスの思想に心酔し、そしてサルトルの指導をうのみにした。したがて、革命に失敗した。それは、政治だけでなく、医学生物学の研究についても言えます。たとえば、ミトコンドリア。専門外の人にはわかりづらいかもしれませんが、ちょっと我慢してください。

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