Part1 まずはサンフランシスコへ

いよいよ3月20日、僕は大阪の伊丹空港から成田に。多和田先生は那覇から成田に。そこで合流。
国立大学農学部教授という身分は、社会的地位は高くとも、収入は少ない。よほどビジネスセンスがあり、どこかの巨大食品会社と手を組み、裏からしこたま助成金をもらい自分のふところに入れる才能がなければ貧しいものです。月桃一筋という地味な研究をされている多和田先生もその御多分にもれません。飛行機は琉球大学生協で買われたディスカウントの安売りチケット。ですから、もちろんエコノミークラス。しかし、僕はビジネスクラス。
さすが、大阪で荒稼ぎしているお医者様という声が聞こえそうですが、それは完全な誤解です。きわめて良心的に医療を行っていますから、実収は低いものです。おそらく、多和田先生と変わりません。それなのに、まともに払うと往復83万円ほどするビジネスクラスに乗れるのか? それは、昔、仕事の関係で年間ちょうど120回もJALに乗り、そこで貯めたマイレージから引き落として、無料の航空券が得られたからです。無料といっても税金が3万円弱かかりますが。それでなければ、エコノミーなんです。払った金額は多和田先生の方がずっと高いはずです。先生にはなんとなく申し訳ないようですが、ビジネスクラスのお客様は優先搭乗ということで、お先に機内に失礼。
JALのJL002便18時10分成田発サンフランシスコ行は、16時間という時差のため、着くのは同日3月20日の午前11時45分。出発した時刻よりも早い時刻に着いてしまうのです。なんだか、タイムマシーンに乗った気がするのです。座席は8A。すでにJALは倒産しており、経費節減のために、国内線では機内に新聞はおいてありません。しかし、国際線のビジネスクラスでは、スチュワーデスが新聞はいかがですかともってきます。そりゃ、当たり前でしょうな。なんせ、83万円もするフライトですから。

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