Part2 サンフランシスコ~リマ

AA1910便は予定より10分ほど遅れ、無事に、ロスアンゼルス空港に着きました。国内線に着いたわけですから、国際線に移動しなければいけません。隣にくっついていますから、歩いてせいぜい15分です。国際線のターミナルは、”Tom Bradley International Terminal”と名づけられています。このTom Bradleyという人を、日本人はほとんど知りません。

僕も知りませんでした。調べてみると、1973年から1993年、5期にわたりロスアンゼルス市長をした人ということです。黒人です。20年も市長をしたわけですから、よほど人気があったのでしょう。オバマのさきがけです。

高知空港は「竜馬空港」、リバプール空港は「ジョン・レノン空港」と呼ばれるようになったそうですが、伊丹空港や羽田空港にふさわしい人の名は、どう頭をひねったところで、思いつきませんね。大阪や東京は、かぎりなくレジェンド不足、人材不足なんでしょうか。と、いうよりもロマンがないのでしょう。
ここで、ランチリ航空のLAN601便に乗り換えです。チリの航空会社です。3週間ほど前にインターネットで購入して、ロスアンゼルス=リマ往復エコノミークラスが税込みで664.7ドルです。約6万円。大阪・沖縄往復より安いのです。こういうチケットは日本にある旅行代理店では買えません。日本発の分しか売っていないのです。「成田→ロスアンゼルス→リマ→ロスアンゼルス→成田」は買えますが、どんなに安いものでも税込みで14万円以上はします。
先ほどの日産の技術者のように、ビジネスクラスで飛びたかったのですが、それだと、6836.7ドル。60万円弱。な、なんと、10倍! とても、牧瀬クリニックではまかないきれません。ビジネスクラスのディスカウントは、あることはあるようですが、僕の日程の分は売り切れてしまったようなのです。
しかし、エコノミークラスで8時間半というのは、やはりきついものです。しかも、子供が多く、うるさいのです。経済力の関係から、エコノミークラスの乗客は若い人が多く、乳児、幼児を連れている確率がけっこう高い。そういう人たちの隣に座ると大変です。子供が泣くのです。お母さんが、あやしても泣きます。最悪の場合、飛行中、ずっと泣いています。
乳幼児連れが隣に座るか座らないかは、あらかじめわかりません。一種の賭けです。運が悪ければ、悲惨なことがおこります。一度、成田からニューカレドニアに飛んだとき、横に乳飲み子、後ろに幼児、斜め前にも幼児、三方から夜どおし泣き騒がれ、最悪の思いをしたことがあります。若いフランス人たちが、パリから成田を経由してフランスの植民地ニューカレドニアに行くのです。今、フランス政府の生めや増やせの人口政策が功を奏して、若い人たちがどんどん子供をつくっているから、そういう事態がおこっているのです。
今回も、横にアメリカ人の10歳前後の悪ガキが3名座り、トランプをやってうるさくて仕方がない。いくら注意しても、注意したときはおとなしいのですが、また騒ぎ出す。「ハーパー・生化学」や「新ミトコンドリア学」を読むどころではありません。またまた、無駄になってしまったのです。しかし、機内食を食べると、急に眠くなり、悪ガキの騒乱も夢の空で、眠ってしまいました。何がおころうと、結局は読まずに終わる本だったようです。

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