Part1 まずはサンフランシスコへ

アメリカは何度も来たことがあるのですが、サンフランシスコは初めてです。知っているのは、ゴールデンゲイトブリッジ(金門橋)とスコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」という古い歌くらいです(ほんとに古いですね!)。最初の町は、どこでもある種の期待と不安がつきまといます。どんなに旅慣れしていてもそうです。しかし、同行の多和田教授はお若いころ、ここに5年ほど留学されています。もっとも、10数年、ここに来られていないそうですが、それでも僕よりずっと地の利はよく知っておられる。
ですから、ホテルまで地下鉄で行きましょうといわれる。しかし、余分なものばかりもってきたために荷物が重く、とても地下鉄で行く気にはなれません。また、二人で割りかんすれば、一人あたりさほどかかるものではありません。まさに、市内まで28ドルでした。一人当たり14ドル。円高ですから、せいぜい1200円ほど。伊丹から大阪市内が5000円もすることを考えると安いものです。
成田から都内までは、場所にもよりますが、2万~3万円。どう考えたところで、成田は遠すぎます。世界で、最も市内から遠い空港です。何であんなところに、農民の猛烈な反対にもかかわらず、しかも国の首都の空港をつくったか理解に苦しむのです。豚のような政治家の汚い利権が絡んだのでしょう。

4~5車線もある道路を走ります。道路の幅そのものが日本の3倍はあり、スムーズな車の流れですから、感覚的には、さほどの車の数ではないように一見されます。しかし、冷静に計算すると、膨大な数です。前を見ても、横を見ても、軽自動車など一台も走っていません。さすがリンカーンなどの大型車の数は少ないのですが、ほとんど、少なくとも2000cc以上のクラスです。したがって、どれほどの石油が消費されるか! 凄まじい石油文明です。

多和田先生のホテルはHotel Pickwick、僕のホテルはThe Westin San Francisco Market Street。前者は3星、後者は5星。またまた、差をつけてしまったようで、教授に申しわけないのですが、これは経費節減のためなのです。えっ、5星ホテルに泊まって経費節減?といぶかる読者に説明しましょう。The Westin San Francisco Market StreetはStarwoodなるホテルのグループに属します。Meridian、Sheraton、Hyattなどがそのグループです。

そういうホテルに泊まると、宿泊ごとにポイントが貯まります。ある程度、貯まると、そのポイントを使って無料で泊まることができるのです。世界中の航空会社がやっているマイレージによる無料航空券の同じようなものです。僕はここ5年ほどかけて、しこしことポイントを貯めていましたので、それを使って4泊全部無料なのです!
JALのビジネスクラスに乗って、5星ホテルに泊まる大名旅行が、飛行機の諸税3万円弱以外、ぜーんぶタダ!! ただほど高いものはないといいますが、この場合、正真正銘のただです。H.I.Sのソウル2泊3日2万9千円(KALエコノミークラス、3星ホテル)と同じ値段で、サンフランシスコ4泊5日(JALビジネスクラス、5星ホテル)なんです。 
アメリカ化学学会の会場と、我々のホテルは徒歩で5分~10分の距離にあり、非常に便利でした。午後1時すぎにチェックインして、シャワーを浴び、教授が泊まっておられるHotel Pickwickに行きます。

事は機内で十分にしたし、学会は明日からです。つまり、 何もこれといってすることがありません。そこで、サンフランシスコの一番の名所、ゴールデンゲイトブリッジで記念撮影をすることにしました。そうでないと、牧瀬はほんとうにサンフランシスコに行ったという証明がないからです。あいつ、法螺を吹いているということになりかねません。合成写真じゃないのですぞ!

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