Part3 ペルー

イキトスには午前6時35分に着きました。これも定刻どおりです。さすが、アマゾンの町です。気温は朝ですからさほど高くはないようですが、湿度が高く、肌にべったりと熱気が付着する感じです。なるほど、東江さんのポロシャツとサンダルといういでたちがよく理解できます。ご友人の一人が僕たちを出迎えてくださり、彼の車に乗って、ホテル直行です。

ものすごい数の「モトカー(Motocar)」と呼ばれる三輪車が走っています。人力車の前がバイクと思っていただいたら、およその形がおわかりになるはずです。メーターなどついていませんから、運賃は乗るときに交渉です。3ソーレス(90円)から、せいぜい7ソーレス(210円)ほどで、イキトス市内を走るには非常に便利です。あまりにも数が多いので、運転手としては競争が激しく、わりのいい仕事ではなさそうです。

7割のバイクがホンダです。しかし、東江さんいわく、「パクリのホンダ」だそうで、現在はHondaの組み立て工場もありますが、ほとんど中国製です。その他、「パクリのスズキ」も走っています。「陸路では行けない世界最大の町」でいくらパクラれても、ホンダもスズキも、クレームをつけること自体が、お金と時間の無駄であることを悟っているようです。 

この調子だと、アフリカでも、日本の企業の目の届かない場所では、ずいぶんパクラれているのでしょう。やがて、目の届くとこでもパクリ、それで居直られてしまうと、手のほどこしようがありません。それは時間の問題のような気がします。しかし、最後は、消費者の意識と購買力です。

高くても、本物は結局長持ちして得であるとわかる時が来れば、にせものは、おのずと消えていくでしょう。つまり、世界が豊かになるに連れて、本物しか生き残れない時代になると、パクリもさほど心配する必要はないのかもしれません。

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